次はサイン波の角周波数、周波数、周期について詳しく学びます。
まず角周波数の定義を再確認します。
\[ f(t) = a \cdot \sin( w \cdot t + \phi ) \] または \[ f(t) = a \cdot \cos( w \cdot t + \phi ) \]
$w$ ・・・角周波数、実数の 定数、範囲は $w \geq 0$、単位は [rad/秒]
この角周波数 $w$ の値の範囲はマイナスでも良いのですが、マイナスの角周波数はイメージし辛いと思うので、今の所は $w \geq 0$ とします。
※ マイナスの角周波数は複素正弦波のアクティビティで出てきますので、その時に改めてマイナスの角周波数の意味について説明します。
さて $w$ の値を変えるとグラフでは横方向の伸縮が変わります。
具体的には
・ $w$ が大きくなるにつれてグラフは横方向に縮みます
逆に
・ $w$ が小さくなるにつれてグラフは横方向に伸びます
特に
・ $w=0$ の時は直流信号(直線)になります
もしかしたら角周波数よりも「周波数」という用語の方が馴染み深いかもしれません。
また、「周期」という用語も聞いたことがあると思います。
ここで「周波数」「周期」の意味についてまとめておきます。
周波数(frequency) $f$ ・・・ 波が 1 秒間に何回振動するかを表す実数の定数、範囲は $f \geq 0$、単位は [Hz] (ヘルツ)
例えば周波数が $f = 2$ Hz だとしたら 1 秒間に 2 回サイン波が振動することを意味している
※ 関数(function) $f(t)$ の $f$ と同じ記号なので混同しないように注意する
周期 $\textrm{T}$ ・・・波が 1 回振動するのに何秒かかるかを表す実数の定数、範囲は $\textrm{T} \geq 0$、単位は[秒]
例えば周期 $\textrm{T} = 0.5$ 秒 だとしたら 0.5 秒で 1 回サイン波が振動することを意味している
さて「角周波数」「周波数」「周期」は以下の変換式を使って簡単に相互変換出来ます。
\[ w = 2\pi \cdot f = 2 \pi \cdot \frac{1}{\textrm{T}} \] \[ f = \frac{1}{\textrm{T}} = \frac{w}{2\pi} \] \[ \textrm{T} = \frac{1}{f} = \frac{2\pi}{w} \]
この変換式より、角周波数 $w$ [rad/秒]が大きくなるとは周期 $\textrm{T}$ [秒] が短くなるので、グラフは横方向に縮む事が分かります。
逆に角周波数 $w$ [rad/秒]が小さくなると周期 $\textrm{T}$ [秒] が長くなるので、グラフは横方向に伸びる事が分かります。
また角周波数と周波数は簡単に相互変換できますので、次のように角周波数 $w$ [rad/秒]の代わりに周波数 $f$ [hz] を使って時間領域アナログサイン波を定義しても構いません。
\[ f(t) = a \cdot \sin( 2\pi \cdot f \cdot t + \phi ) \] \[ f(t) = a \cdot \cos( 2\pi \cdot f \cdot t + \phi ) \]
$f$ ・・・周波数、実数の 定数、範囲は $f \geq 0$、単位は [Hz]