WBS の一番楽な作り方は作成ツールやテンプレートを利用することですが、今回は練習のために手作業で作成したいと思います。
なお今回は前のページで挙げた「親工程を上に置いて子工程を下に広げていく木構造」タイプの WBS とガントチャートを作成します。
まず以下の手順でプロジェクトに含まれる工程を分解します。
この分解作業は全てのメンバーが具体的に何をすれば良いのか理解できる工程、つまり「アクティビティ」が出てくるまで繰り返します。
なお各階層の子工程の数は 3〜5 個位に留めておくのが良いらしいです。
さて工程を分解してプロジェクトに必要なアクティビティを全て抽出したら、次はアクティビティ間の依存関係図を作成します。
アクティビティ A を開始するためには アクティビティB が終わってないといけないという状況は
B → A
の様に矢印を使って依存関係を表すことが出来ます。
そこで全てのアクティビティ間の依存関係を考え、矢印を引っ張って有向グラフ(依存関係図)を作成します。
最後にこの依存関係図をもとにしてガントチャートを作ります。
ガントチャートの作り方も色々ありますが、典型的なガントチャートでは最初の列に各アクティビティの名称、次の列に担当者名や予算額を記入します。
次の列からは各アクティビィティの開始時刻と終了時刻をセルを塗りつぶしたりして指定します。
ただしアクティビティ間には依存関係がありますので、依存しているアクティビティが終了するまで開始時刻を遅らせる必要があります。
この様に依存関係に気をつけながら全てのアクティビティの開始時期と終了時期をスケジューリングしていきます。
ところで適当にスケジューリングすると無駄な作業終了待ちが生じますので、可能な限りアクティビティを並列作業化して効率的にスケジューリングする必要があります。
ところが、どう頑張っても依存関係のせいで並列作業化出来ないアクティビティの実行経路(パス)が生まれます。
このパスのことを「クリティカルパス」と呼びます。
このクリティカルパス上のアクティビティの作業時間の合計がプロジェクトを完遂するための理論的な最小時間になります。