ここでは例として「太郎と花子が二人でゆで卵を作って食べる」プロジェクトの WBS を作ってみましょう。
まず WBS は図 1 の様に単純な 3 階層、8 アクティビィの WBS としました。
図1. WBS の例
次にアクティビティ間の依存関係図を作成します。
今回は図2の様にしました。
作業時間数も併せて記入しています。
依存関係は矢印で表されますので、例えば図2で言えば「スーパーで卵を買う」ためには「銀行で金をおろす」必要があることが分かります。
一方「腹筋して腹を減らす」ために必要なアクティビティはありませんので、腹筋はどれとも依存関係がない独立したアクティビィティであることが分かります(※)。
※ メンバーが 1 人しかいないと腹筋しながらお金をおろしたり卵を買うのは現実的には無理ですが、今回は複数名いるので並列作業可能です
図2. アクティビティ間の依存関係図
依存関係図を描いたらガントチャートを作成します。
今回は図 3 の様なガントチャートを作成してみました。
ガントチャートを作成する際には依存関係に気を付けつつ、並列作業できそうなアクティビティは効率よく同じ時間帯に割り振る必要があります。
今回は「お湯を沸かす」作業と「銀行で金をおろす」、「スーパーで卵を買う」作業には依存関係が無く、並列作業可能なので太郎と花子で分担しています。
ただし「銀行で金をおろす」、「スーパーで卵を買う」には依存関係があるので「銀行で金をおろす」方を先に実施します。
同様に「卵をゆでる」→「殻を割る」→「塩を振る」の3つの作業(これらは依存関係があります)と「腹筋して腹をへらす」作業も並列作業可能なので、こちらも 2 人で分担しています。
なお作業時間帯は下の例では 10 分単位で区切られていますが、特に決まりは無いので作業内容に合わせて 1 秒とか 1 分とか 1 時間とか 1 日とか自由に決めて結構です。
また 20〜30分時点に花子に空き時間が出来てしまったので、何か別のアクティビィを用意して花子にやってもらっても良いでしょう。
図3. ガントチャート (★がクリティカルパス)
最後に依存関係図やガントチャートを見ながらクリティカルパスを見つけます。
クリティカルパスを見つける作業は経験と勘が必要なので慣れていないうちは結構大変なのですが、依存関係図で作業時間の合計が一番長い経路がクリティカルパスになることが多いです。
今回の例では依存関係図を見ると
の 3 通りの経路がありますが、作業時間の合計を計算すると
なので、経路 1 がクリティカルパスになります(図3の★マークの経路)。
またプロジェクトを完遂するための理論的な最小時間は 60 分ということも分かりました。