次に時刻 $i$ の時に信号を観測して実現値 $x[i]$ を手に入れたとします。
すると実現値 $x[i]$ とその線形予測値 $\hat{x}[i]$の差分から時刻 $i$ で付加されたホワイトノイズ $e[i]$ の値を予測できます。

その予測値のことを「線形予測誤差」や「線形予測残差」などといって、次の式で求められます。

定義: L 次線形予測誤差 :

次数 $\textrm{L}$ を正の整数とする
$x[i]$ は L 次自己回帰モデルに従って生成されている
$x[i]$ まで実現値を入手済みとする

\begin{align*} \hat{e}[i] & = x[i] - \hat{x}[i] \\[5pt] & = x[i] + \sum_{n=1}^{\textrm{L}} \{ a[n] \cdot x[i-n] \} \} \end{align*}

$\hat{e}[i]$ ・・・ $e[i]$ の線形予測誤差

$\hat{x}[i]$ ・・・ $x[i]$ の線形予測値

$a[n]$ ・・・ LPC 係数

さて L 次線形予測誤差は次のブロック図で表されます。

L 次線形予測誤差のブロック図:

 

要するに $x[i]$ を入力すると線形予測誤差 $\hat{e}[i]$ が出力されるFIR フィルタとなります。
よってプログラム表現は次の通りになります。

L 次線形予測誤差のプログラム表現 (C言語):

実現値 $x[i]$ は時刻 i が負の時は 0 とする

hat_e[i] = x[i] ;
for( int n = 1; n <= L; ++n ) if( i-n >= 0 ) hat_e[i] += a[n] * x[i-n] ;