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5. 推定モデルの利用

今までの話をまとめると次の様になります。

まとめ:

N 個の実現値 x[0]x[N1] を観測する
実現値 x[i]定常な信号列と仮定する
実現値 x[i] から 標本自己相関関数を求める
標本自己相関関数からレビンソン・ダービン・アルゴリズムを使って LPC 係数の推定値 ˆa[n] を求める
ˆa[n] を使って x[i] を生成した L 次自己回帰モデルを推定する

これで x[i] を生成した自己回帰モデルが推定されたので、いくらでも新しい信号列を生成してシミュレーションなどで使えるようになりました。
また線形予測モデルを使って次の時刻の信号値を予測したり、付加されたノイズの大きさも予測する出来るようになりました。
他にも色々な用途に応用可能です。

ただし、そもそも「実現値 x[i] は定常な信号列」という仮定が誤っている場合はモデルを推定しても意味がないので、x[i] が定常かどうかをADF検定(ランダムウォークかどうかを判定する検定)などの手法を使ってちゃんと検討する必要があります。