UML(Unified Modeling Language: 統一モデリング言語)とは構築するシステムの構造を分かりやすくモデル化するために作られた人工的な言語で、簡単に言うと設計書の書き方、つまりフォーマット(書式)です。

フォーマットを組織や個人ごとにバラバラに定めていると開発者の間で全く意図が伝わらないので、1997年にOMGというアメリカの非営利団体がフォーマットをUMLとして標準化しました。
なお言語とは言いますが、実際には文章だけでなくて「ダイアグラム」と呼ばれる図形の描き方もフォーマットとして定めています。

さてそれらのダイアグラムの中には「クラス図」「オブジェクト図」「状態遷移図」「シーケンス図」「ユースケース図」などの有名な手法がいくつも含まれています。
ここではオブジェクト指向プログラミングにおいてクラスを設計する時に良く用いられる「クラス図」の描き方について学びましょう。

クラス図とは「クラス間の関係を表した図」で、最も基本となるのはひとつのクラスだけを表した単一クラス図です(図1)。


図1: 単一クラス図

この単一クラス図には上から

を記入し、更にアクセス修飾子を属性と操作の名前の前に次の記号で記します。

なお、フィールドの型、メソッドの戻り値、メソッドの引数などは省略可能です。
またコンストラクタ、 getter 、 setter も省略可能です。
何を省略するかのルールについては特に決まりは無いので所属する組織のやり方に従って下さい。

では具体例を挙げてみましょう。例えば次の FRUIT クラス

ソース 1 :
public class FRUIT{

    private String name;

    public String get_name(){ return name; } // name の getter
    public void set_name( String a ){ name = a; } // name の setter

    public FRUIT(){}  // コンストラクタ

    public void show()
    {
           System.out.println( name + "美味い" );
     }
};

をクラス図で表すと次の図2になります。
なお name フィールドの型、 show メソッドの戻り値と引数、コンストラクタ、 name フィールドの getter と setter は省略しています。

図2: ソース 1 のクラス図