最後に FIR ハイパスフィルタのインパルス応答、伝達関数、周波数特性を示します。
これらの式は全てFIR ローパスパスフィルタと同様の計算で求めることが出来るので、興味のある人は自分で計算してみましょう。

FIR ハイパスフィルタのインパルス応答

$w_c$ [rad/秒] ・・・ カットオフ角周波数

$w_s$ [rad/秒] ・・・サンプリング角周波数

$f_c$ [Hz] ・・・カットオフ周波数

$f_s$ [Hz] ・・・サンプリング周波数

とする。
また $\alpha$ を正規化カットオフ周波数

\begin{align*} \alpha = \frac{w_c}{(w_s/2)} = \frac{f_c}{(f_s/2)} \end{align*}

とする。
さらに FIRフィルタ長として適当な正整数 $\textrm{L}$ を決め(ただし $\textrm{L}$ は奇数とする)、正整数 $\textrm{C} = (\textrm{L}-1)/2$ を定義する。

この時、FIR ハイパスフィルタのインパルス応答は次の式で表される。

\begin{align*} h[\textrm{C}] = 1 - \alpha \end{align*} \begin{align*} h[\textrm{C}-i] = h[\textrm{C}+i] = -\frac{\sin ( \pi \cdot i \cdot \alpha )}{\pi \cdot i }\ ,\ (i = 1, 2, \cdots, \textrm{C} ) \end{align*}

伝達関数は次のようになります。

FIR ハイパスフィルタの伝達関数

$h[i]$ を上で計算した FIR ハイパスフィルタのインパルス応答とした時

\begin{align*} \textrm{H}(z) = \sum_{i=0}^{\textrm{L}-1} \{ h[i] \cdot z^{-i} \} \end{align*}

周波数特性は次のようになります。

FIR ハイパスフィルタの周波数特性

$h[i]$ を上で計算した FIR ハイパスフィルタのインパルス応答とした時

\begin{align*} \textrm{H}(w) = \left ( h[\textrm{C}] + \sum_{i = 1}^{\textrm{C}} \left \{ 2 \cdot h[\textrm{C}+i] \cdot \cos (i\cdot w \cdot \tau ) \right \} \right ) \cdot \textrm{e}^{ -j \cdot w \cdot \textrm{C} \cdot \tau } \end{align*}