「スペクトル解析」または「スペクトル分析」とは、解析対象となる未知の信号を周波数成分に分解して各成分の性質を調べるという解析手法です。
「スペクトル(spectrum )」の意味は扱う分野によって微妙に変わってくるのですが、数学・物理・工学分野では解析対象となる時間領域信号の種類に応じて異なる変換手法によって求められる周波数領域複素関数のことを「スペクトル」と呼んでいます。
具体的には次の様な変換表となります。
種類 | アナログ信号 | ディジタル信号 |
---|---|---|
周期的 | フーリエ級数展開 | 離散フーリエ変換(DFT) |
非周期的・収束 | フーリエ変換 | 離散時間フーリエ変換(DTFT) |
任意 | ラプラス変換 | Z変換 |
ところで上で挙げた各変換手法のうち、DFT 以外の変換は元の信号の式が分かっていないと計算することが出来ません。
つまり(簡単な波形でない限り)未知の信号の真のスペクトルを求めることは困難です。
よって実際には台形公式や DFT などを使って近似的にスペクトルを求める必要があります。
ちなみにスペクトルの語源はラテン語のスペクトルム(spectrum)で、幽霊、亡霊、妖怪、お化け、幻影を意味する英語のスペクター(specter)と同じ語源だそうです。